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雨が上がると 19 - 2011.06.21 Tue

雨が上がると虹がかかる。

ということで、何を血迷ったのか(笑)。
降ってきたので書いてみました。

いちゃラブも原作「身代わり伯爵」の雰囲気も無い自己満足です。
出会い記念?ということで。

出版社、原作者とは一切関係ありません。
何を読んでも大丈夫な方だけどうぞ。

以下、二次というもので。






『真夜中の酒宴』



「ぼくたちの出会いに乾杯ー。」
ぶどう酒が注がれた杯を高らかに掲げたフレッドが宣言する。
─公務が終わり次第、フレッドのいる「ミレーユの部屋」へと来て欲しい─
そう告げられたリヒャルトの到着を待って開始された今日の宴であった。

「二人の出会いにかんぱーい。」
幸せそうに微笑む許嫁も双子の兄に唱和する。
「ほーら、リヒャルトも!」
輝く笑顔でフレッドに杯を近づけられ、
「それでは、乾杯。」
渡されていた祝杯を揚げると、双子は一息に注がれていたぶどう酒を飲み干した。

***
「そういえば、去年はリヒャルトがお店の扉をそれは見事に真っ二つにしていたけれど、あれってどうやったの?」
母方の血か、グラスに一杯程度では全く影響は無い様子のミレーユは、無邪気に去年の出来事を思い出していた。
「・・・すみません。本当に申し訳ありませんでした。」
去年はリゼランドのオールセン家で祝ってもらった記念日である。
フレッドの優しさだったのか、エドゥアルトと共に訪れたあの日は、彼女の意外な一面を知る事ができた貴重な日ともなった。
甘やかな思い出もあるにはあったのだが、ミレーユの興味はそちらではないらしい。
母であるジュリアにも、破壊した扉に関してはむしろ呆れられたというより感心されていた気がするのは、多分気のせいではないだろう。
修繕された扉は次に訪ねた時にはすっかりと元通りにはなっていたものの、敷居が高くなってしまった事は否めない事実であった。
「え?ああ、ごめんなさい。あやまって欲しかったわけじゃないの。結構、頑丈に作ってあった扉だったでしょう?それに、ご近所のおじさんたちも一緒にいたから。あなた達が帰ってから、すっかりうわさになっていたのよ。あの扉を壊したのは誰だ?って。」
「・・・そうですね。」
思わず口を覆って視線をそらしてしまった。

下町を駆け巡ったミレーユを追跡したあの日。
彼女の生まれ育った下町の騒がしい雰囲気はそこはかとなくわかったものの、騒動に刃物を使ってはいけないという暗黙の了解の中で、帯剣している自分がいかに異質であったかは想像に難くない。
「あまり目立つ行動はしないようにしていたのですが・・・・・。」
あまりにも落ち込む様子を見かねたのか、ミレーユがなぐさめるように手を重ねてきた。
「ええ、あとからパパに一日追いかけられていたって聞いたけど、全然気が付かなかったから大丈夫よ?」
「・・・・・そうですか。」
自分のためにパンを焼いてくれようとしていた彼女の情熱を思い出して、胸が熱くなってくる。
重ねられた手にそっと自分の手を重ねると、気付いたミレーユは照れたように微笑んでくれた。

「そうした様子がすごいうわさになっていたんだけどねー。往来で鉄拳女王が余所者と抱き合っていた。しかも、扉をぶち壊すほど腕っぷしのたつ相手だってね!」
リヒャルトの顔をちらりと見ながら、片目を瞑ってさりげなくフレッドがつぶやく。
「そうよね!リヒャルトってば本当に恰好よかったわ!あたしにもあの技を教えて欲しいのだけれど、リヒャルトは忙しくてそんな暇はないわよね・・・・・。残念だわ。団長やロジオンに教えてもらえるかしら?」
フレッドの言葉はあっさりと流されたらしい。
重ねた手はいつの間にか外されて、彼女の前で組まれ、夢見るようにうっとりとしていた。
見慣れない表情はこの上もなく可愛らしいが、その願いを叶えてあげられそうにはない。

「・・・・・ミレーユ。お願いですから、危険な真似はやめてくださいね・・・・・。」
やさぐれた勢いで、酔い止めも飲まずに手にしていたグラスを傾けてしまった事にリヒャルトが気が付いたのは翌日の事であった。

***

「あらら、リヒャルト飲んじゃった?」
あっけらかんとフレッドはつぶやくと、輝く笑顔を浮かべて、突っ伏してしまったリヒャルトをのぞきこんだ。
「ちょ、ちょっと大丈夫なの?ルーディが用意しているリヒャルト専用の特別な飲み物って言っていたけど・・・・・。」
唐突に伏してしまったリヒャルトは大丈夫なのだろうか。以前、少し酔っていた彼に散々迫られた記憶がミレーユに甦る。

「今日は祝宴だろう?お酒じゃなくて、何を飲むのさ。二日酔いしない魔女特製の飲み物だよ。それに、明日はそんなに早起きしなくていいってこわーい侍従長から聞いているから大丈夫だよ!」
キラキラしながらフレッドは断言した。
「な、何が大丈夫なの?リヒャルトって寝起きも酒癖も悪いじゃない!」
過去の出来事を思い出し、動揺したミレーユは思わずフレッドの首を絞めにかかった。

「ふふふ。やっぱりきみの絞め方は最高だね。でも、あれ?酔ってるリヒャルトを知っていたんだ?てっきりまだ知らないかと思っていたよ。それにしても思い出すなー。初めてお酒を飲んだリヒャルトも、突然突っ伏したかと思うと・・・・・。」
ミレーユにつかまれたままのフレッドがリヒャルトへと視線を移す。
「突っ伏したかと思うと?」
重ねてつぶやいたミレーユがフレッドの視線の先へと顔を向けた瞬間、むくりとリヒャルトが起き上がった。

***

「おかえりなさいませ。ミレーユさま。」
夜半過ぎ、部屋に戻ったミレーユを、アンジェリカはにこやかに迎えてくれた。
「え、ええ。ありがとう。」
「お顔が赤いようですが、大丈夫でございますか?こちらに冷たいものも用意してございますが。」
ミレーユははっとしたように両手で頬をはさむと、すがりつくようにアンジェリカを見つめた。
「祝宴で何かございましたか?わたくしもぜひ観察させていただきたいと思っていたのですが残念でしたわ。あら、ミレーユさま?・・・・・本当に大丈夫でございますか?」
尋常でなく赤い顔をしたミレーユが心配になったのだろう。アンジェリカは素早く冷たい飲み物の入ったグラスを用意する。
「ご、ごめんなさい。ちょっと衝撃的すぎて・・・・・。」
差し出された飲み物をぐいっと飲み干すと、ミレーユはゆっくりと息を吐いた。
「フレッドとリヒャルトの記念日にあたしはお邪魔だったかもしれなかったわ・・・・・。ていうか、フレッドがあんなに自分大好きなのはきっとリヒャルトが・・・・・。」
なにやらぶつぶつとつぶやきながら、がっくりと肩を落とすミレーユを不思議そうにアンジェリカは見つめた。

***

「小兄さま。一体何がありましたの?」
隣室にリヒャルトを送り届けたロジオンをつかまえると、アンジェリカは浮き浮きと訊いてきた。
「お部屋に戻られたミレーユさまが真っ赤なお顔をしていらっしゃいましたわ。」
「・・・・・特に何かあるわけではない。若君とフレデリックさまが楽しく御酒を召し上がられただけだ。」
無表情のまま、淡々と答える兄に妹の不満は募る。
「・・・・・まあ、そうですの。若君が御酒を召し上がったあとのうわさはあちこちで伺いますけれど、殿方たちはそれ以上何も言わないんですのよ!ミレーユさまがあんなに動揺なさっている原因をわたくしも侍女として知っておかなくてはならないと・・・・・。」
無言で顔を背けるロジオンにつめよっていたアンジェリカの背後から、涼やかな声が聞こえた。
「ははは。アン、その件についてはミレーユだけの特権ということにしておいてよ!ね、ロジオン。」
「はい。まったくもってその通りかと存知あげます。」
「・・・・・出すぎた真似をいたしましたわ・・・・・。」
納得いかない様子ではあったが、主の幸せを望む侍女にとっては、引かざるをえなかった。

翌朝。
「・・・・・フレッドになんか負けないから!」
そうつぶやきながら、涙目で熱心に新婚虎の巻を食い入るようにして広げているミレーユを、リヒャルトとアンジェリカが微妙な顔つきで見つめていたのはまた別の話。

~終わり~


・・・・・イロイロトシツレイイタシマシタ。

6月21日は親友同士の出会い記念日ということで。
同室だった二人はどんな日常を。と妄想していたのですが、酔った殿下がフレッドさんを褒め称える(?口説く)姿しか思い浮かびませんでした・・・・・。なんなの私・・・・・。
兄が許嫁から、ウキウキと賞賛を受けている姿を見たミレーユはショックだろうなあ。ということでした。
そんな殿下が酔っ払っているときは女性厳禁だろうなあ。という侍従の苦労が描けるとよかったのですが。
アンジェリカなら、嬉々として一言も漏らさず記録しているかもしれませんけどね(笑)。

それでは、最後までお付き合い下さりありがとうございました。



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