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雨が上がると 27 - 2012.02.14 Tue

雨が上がると虹がかかる。

ということで、何を血迷ったのか(笑)。
降ってきたので書いてみました。

いちゃラブも原作「身代わり伯爵」の雰囲気も無い自己満足です。
パパとママの若い頃を捏造ということで。

出版社、原作者とは一切関係ありません。
何を読んでも大丈夫な方だけどうぞ。

以下、二次というもので。






『贈り物』


「ジュリア!久しぶり!」
涼やかな声が街路に響く。
「エド!?久しぶり!こっちに寄る仕事でもあったの?」
金茶の長いおさげ髪がしなやかに振り返る。
店のお使いに出ていた途中、ジュリアは思わぬ人物から声をかけられた。

金髪に青灰色の瞳をした王子様みたいな外見。
シアランの貿易商の息子だって言っていた。
リゼランドには時々仕事でやってくるらしい。
父さんも以前から知っていて、仕事で付き合いがあると言っていた。
シアランは食の都として有名だから、新商品の参考になる話も聴けるかもしれない。
声を掛けられる事は頻繁にある。いちいち応えていたらキリがない。

「シアランからご苦労様ね!リゼランドより暖かいから、寒さがこたえるんじゃない?」
パン屋の娘だもの。お客様いつもありがとう!自然と笑顔がこぼれる。
「優しいね。ジュリアは。確かに、リゼランドの方がシアランより寒いだろうけど、今日はアルテマリスから来たから、こちらの方が暖かいくらいだよ?」
「ふうん。そうなんだ。」
王子様の笑顔に少し動揺する。優しいだなんて、初めて言われたわ。さすがの商人魂ね!

「アルテマリスにも行くのねー。シアランの美味しいお菓子でもお土産にあるかと思って期待しちゃった。」
建前と本音と半分半分。

エドは甘い物が大好きらしく、何かしらお菓子を持ち歩いている。
今も、人気の菓子店に寄ってきたのか、甘い香りが漂っている。
甘い物はそんなに得意ではないけれど。
エドのくれるお菓子はいつもめずらしくて、美味しい。

「期待してくれていいよ。今日は君に贈り物を渡したいと思って来たんだ。」
「贈り物?お土産じゃなくて?」
「ああ。お土産じゃなくて、贈り物。」
にっこりと微笑むと、きょろきょろと辺りを見回す。
「とりあえず、どこか落ち着いて話ができるところはあるだろうか?」
「それなら、向こうね。寒いから、暖かいお茶が飲めるところ。」

広場の一角にあるベンチに落ち着いて、ほっと一息ついたところで、エドは早速その贈り物なる物を取り出した。
女の子に贈るのにふさわしい可愛らしい包み紙。
中にはお菓子が入っているのかしら?

「ジュリア、受け取ってもらえるだろうか?」
なぜか、神妙な顔をして差し出される。気軽に受け取ってはいけないものだろうか。
「受け取るも何も、そもそもこれは何?」
包みをじっと見つめてから、エドに確認をする。
「え?あっ、すまない。これは、チョコレートだよ。君はお酒が好きだろう?お酒の入ったチョコレートなら喜んでもらえるのじゃないかと作ってみたんだ。」
あたふたと、慌てたように説明を始める。
「えっ?エドが作ったの?」
返ってきた意外な言葉に、驚かされた。

「ふふふ。そうだよ。自分で作ったら、いつでも食べられるかなと思って。」
にこにこと嬉しそうに話してくれる。
お菓子大好きな彼らしい言葉にちょっと脱力したけれど、そんな力作なら素直に嬉しい。
「じゃあ、喜んでいただこうかしら。ここで開けてもいい?」
差し出された包みを受け取って、エドの顔を見つめる。
青い瞳が期待に満ちて、きらきらしているのは、ここで開けて見て欲しいという意思かしら。

綺麗なリボンの付いた華やかな包みを開けるのは、少しもったいないと思ったけれど。
味見した感想は今じゃないと言えないかも知れない。
今日は贈り物を届けに来てくれたと言っていたけれど。
普段はリゼランドにいない人だから。

「……あ。美味しい!」
「本当かい?」
「うん。ほのかに香るぶどう酒が何とも言えないわ。案外器用なのね。」
実は、おそるおそる口に入れたのだけれど、口に入れた瞬間にとろける感触といい、控えめな甘さといい、文句無しの美味しさだ。
「この艶もいいわね…。」
つやつやと光るチョコレート。見た目の形も揃っている。
「教えてくれたお師匠さんが素晴らしかったのねー。」
少し意地悪を言ってみる。

「そうなんだよ!何度も何度も失敗してしまったけれど、根気強く付き合ってくれて、とうとう納得いくものを完成することが出来たんだ!職人としても、師匠としても素晴らしい人だよ!」
興奮気味に話す様子には、意地悪に気付いた気配もない。
純粋に、師匠を賞賛する言葉に嘘はないのだろう。
そして、完成までの道のりが案外遠かったことを物語っているのだろうか。
いつから、今日の日の為に準備をしてくれていたのだろう……。

「それじゃあ、ごちそうさまでした。とっても美味しかったです。ありがとう。」
「……へ?まだ残っているよ?」
師匠への情熱が一段落したようなので、お礼を言って立ち上がる。

「あんまり美味しかったから、うちでゆっくり食べさせてもらうわ。それに、あれ、お迎えでしょ?」
見慣れてしまったお付きの人間が、広場の向こう側で、こちらを窺っている。
詳しい話はきいたことないけれど、一人歩きが出来ない程度には、お坊っちゃんらしい。

「ジュリア・・・・・・。」
かなり寂しそうに見えるのは、あたしの勘違い。
今日の贈り物も美味しいお菓子をいつでも自分が食べたいから。
楽しい街歩きの時間も決まっているのかしらね。
「それに、あたしもおつかいの途中だしね。家業を頑張って盛りたててね!」
ひらひらと手を振って別れを告げる。
さてと、急いで帰らなくちゃ。

「ただいまー。ねぇ。父さん。美味しいお菓子があるんだけど。一緒に休憩しましょう。」
店に戻ると、ちょうど父さんが休憩に入る時間だった。
「そうだな。お茶もちょうど用意できたところだよ。」
「やった。父さんのお茶って美味しいわよね。」
「ははは。他人に淹れてもらうと何でも美味しいんじゃないか?」
「ええ?そうでもないわよ。…さて、お菓子の準備も出来たし。」
「それじゃあ、いただこうかね。」
「いただきまーす。」

「ほほう。美味しいな。艶もいいし、形もいい。ほのかに香るぶどう酒はジュリアが好きそうだな。」
一口食べてみたダニエルの感想は、ジュリアの感想とそっくりであった。
「でしょう?お酒の香るパンも美味しいと思うのよねー。それ、実はエドにさっきもらったところなの。」
「え?エド?」
「そう、シアランのエド。手作りなんだって!案外器用なのねって感心しちゃった。」
「え?手作り?」
「そう、最初に贈り物があるって言ったから、何かなと思ったら。彼、お菓子大好きでしょう?自分で作れたら、いつでも食べられるからって言ってたわ。大好きなのね。お菓子。」

「……そうか。わざわざ今日の日に……。すまないな。エド。」
異国では、好きな異性に贈り物をする日だということを、以前エド本人にきいたことがある。
この辺りでは、全くそんな習慣がないという事を彼に伝えたほうがいいのか悪いのか。
うっかり、贈り物を口にしてしまった手前、悩むダニエルの姿をジュリアは不思議そうに見つめるのであった。

~終わり~

イロイロトシツレイイタシマシタ。ダレ?コレ?テキナ。
国民的行事に便乗。
パパは手先が器用らしいし。芸術センスもあるらしいし。ということで。
チョコの原料がほいほい手に入るかは謎ですが。
そして、暖房とか冷却器具はどうなっているのか……。
シアランの貿易商はどの程度裕福なのか。
とかいろいろ思いつつ。
パパの正体がばれる前は案外普通の仲良しなお付き合いをしていたのかしら?
と捏造。
いつか、二人の出会いの物語が読めることを祈りつつ、勝手な妄想を繰り広げてみました。

ここまでのお付き合いありがとうございました。
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