2017-06

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雨が上がると 30 - 2012.08.12 Sun

雨が上がると虹がかかる。

ということで、何を血迷ったのか(笑)。
降ってきたので書いてみました。

いちゃラブも原作「身代わり伯爵」の雰囲気も無い自己満足です。
アルテマリスで仲良し姉妹です。

出版社、原作者とは一切関係ありません。
何を読んでも大丈夫な方だけどうぞ。

以下、二次というもので。







『夏の終わり』

「セシリアさま。お願いがあるんです。」
そう言って、ミレーユお義姉さまがわたくしにこっそりと相談してくれたのは、お兄様の誕生日についてだった。
「リヒャルトの誕生日がもうすぐなので、いろいろ企画してみたんです。でも、本当に喜んでくれるのかまだ不安で…。贈り物もまだ決めかねているんですよ。」
本心からの言葉なのだろう。困ったように眉を寄せると、腕を組んで考え込んでしまった。

どんな贈り物よりも、彼女がそばにいることが代えがたい喜びだと思うけれど…。
多忙な公務の間を縫って、約束通り、ピアノを弾いてくれたり、馬に乗せてくれたりと、私の願いを叶えてくれたお兄様。
わたくしをいつも甘えさせてくれるけれど、少しは成長したということも知っておいて欲しい。
そして、お義姉さまと一緒にいる時の笑顔がいつまでも続いて欲しい。

「わたくしにできることなら、何でもお手伝いできたらと思うけれど…。贈り物。そうね…何かいつも持ち歩けるようなものなんてどうかしら?」
「持ち歩けるものですか?」
「ええ。」
「持ち歩けるもの…フレッドはいつも鏡を持ち歩いているようだけど…。」

…突然、伯爵の話題が飛び出してきて、わたくしの心臓が飛び跳ねそうになる。
そう。伯爵はいつも鏡を持ち歩いているのね…。
わたくしも鏡を見たら、いつも伯爵のお顔が映っているといいのに。
シアランに滞在している時、顔を忘れてしまいそうだった…。
お兄様もお義姉さまももうすぐシアランに帰ってしまわれる。
心から祝福しているけれど、やはりさみしい。
わたくしにも、思い出すよすががあればいいのに。

「ああっ。セシリアさまっ。これがいいですよ。本のカバー。リヒャルトはいつも本を読んでいるから。」
そう言って、本棚に並んでいる本を指差して、お義姉さまはにっこりと笑った。

「そそそっ、そうね。本はいつも持ち歩いていらっしゃるわね。でも、大きさがそれぞれ違うから、常に持ち歩くという訳にはいかないわ。」
自分の考えに耽ってしまっていたので、突然の提案に驚いてしまった。
「あっ、そうですね…。いい案だと思ったんだけど。」
先ほどまでの輝いた瞳が嘘のように、すっかりしゅんとしてしまわれる。

あっさりと否定してしまって申し訳なく思い、何か、他に…と夢中で考えていると、
「…カバーではなくて、栞はいかがですか?大きさも関係ないですし。」
以前に作ってみたいくつかの栞を広げてみる。
それぞれの本にあわせて、カバーは作っているけれど、栞は折々の花や動物などを刺繍してある。
「うわぁ。可愛らしいですね。それにとても綺麗。」
手にとってじっくりと見つめられているのは少し気恥ずかしいけれど。
「形も図案も素材も、工夫次第だから、作り甲斐もありますの。」
「そうなんですか。ぜひ、教えてください。」
「ええ。喜んで。」

***
「ミレーユ。指先が痛々しいことになっていますが、大丈夫ですか?」
「ええ。だ、大丈夫よ?」
「白百合の宮に読書会に行っていると聞いていますが、他にも何かやっているのですか?」
「え、ええ。読書会の他にも、刺繍の会をやっているの。セシリアさまは手芸がお得意でしょう?」
「…そうですか。」
「って、リヒャルト何するの?」
「指先の傷が早く治るようにおまじないです。」
***

「ふぅぅ。やっと完成しました…。」
数日後、満足のいく形でようやく完成した栞を眺めながら、ミレーユは大きな伸びをした。
「それにしても、さすがセシリアさまですね。あたしが一つ完成させる間に、いくつ作られていたんですか?」
「いくつになったかしら?つい楽しくて、夢中になってしまったの。でも、お義姉さまも、途中から物凄く上達されていましたわ。何かコツをつかんだのですか?」
「…ええ。コツと言うか、おまじないよけと言うか…。」
ぼそぼそとつぶやくので、後半の方はあまりよく聞こえなかった。

「おまじないよけ?」
不思議に思って、確認するように訊いてみると、
「な、なんでもないです。傷を増やすと、心臓に悪いことが起きるので。それだけのことです。」
少し顔を赤くして、あらぬ方向を向いてしまった。
「よくわからないけれど…。あまり傷が増えるのは確かによくないわね。」
追求しないで欲しいという仕草をみて、納得したことにする。
セシリアも、完成したらミレーユに言いたいことがあったのだ。

「お義姉さま。お願いがあるんです。」
少し緊張した面持ちで切り出すと、ミレーユは少し驚いた顔をして、まっすぐに見つめ返してきた。
「わたくしの作った栞を受け取っていただけますか?」
「え?あたしにですか?」
思わぬ申し出にミレーユはきょとんとなる。
「はい。お兄様とわたくしと、お義姉さまとお揃いで作りました。もうすぐ、シアランに帰ってしまわれると思うとさみしくて。栞を見るたびに、お兄様とお義姉さまを思い出してもいいですか?」
「セシリアさま…。」
差し出された栞と手のひらをミレーユはゆっくりと両手で包みこむ。
「もちろんです。あたしもリヒャルトもいつもセシリアさまのことを想っています。ありがとうございます。大切にしますね。」
セシリアはこくりとうなずいてにっこりと微笑んだ。

八月の誕生日はまだ少し先のこと。

~終わり~

イロイロトシツレイイタシマシタ。
8月なので、リヒャルトさんお誕生日おめでとう!
ということで、最愛の二人から贈り物を。
海外の栞は金属製が多い気がしますが…。
二人が作るなら?紙と布しかイメージ出来ませんでした。
凝ったのは職人さんしか作れなさそうですしね…?
と読んでくださった方にイメージ丸投げです…orz。
全サもプレザビもセシリアさま祭りでしたね(笑)。可愛かったー!
さて、10月の新刊が楽しみですが、どんな展開になるのでしょうね。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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