2017-08

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雨が上がると 34 - 2013.10.31 Thu

雨が上がると虹がかかる。

ということで、未だ血迷っております(笑)。
降ってきたので書いてみました。

いちゃラブも原作「身代わり伯爵」の雰囲気も無い自己満足です。
双子のお誕生日ということで。

出版社、原作者とは一切関係ありません。
何を読んでも大丈夫な方だけどうぞ。

以下、二次というもので。





『魔法の花』


「ただいまぁっ!」
店の入り口で出迎えたミレーユにいつものようにフレッドがぎゅっと抱きつく。
暑苦しい様子の兄に、こちらもいつも通りのうっとおしそうな素振りを見せながらも、ミレーユは笑顔が隠しきれない。店の奥では、ダニエルとジュリアが双子のじゃれ合いを微笑ましく見守っている。

恒例の里帰り。養子に行ったはずのフレッドは、こちらが心配になるくらい頻繁に帰ってくる。
ミレーユと同じ金茶色の髪を「お父上」と同じ金色に染め、きらびやかな衣装をまとい、たくさんのお土産と一緒に現れるフレッド。
本当はもっと早くに帰りたかったんだけど。と手紙にも書いてあったが、今回は誕生日の当日に到着した。
ミレーユの誕生日ということはフレッドの誕生日でもあるはずなのに。
……あちらの家では祝ってもらえないのだろうか。
当日を一緒に過ごせるのは嬉しいが、養子先の様子も気になってしまう。

ひとしきり、双子がお互いを堪能したのを見計らったように、母と祖父から声が掛けられた。
「フレッド、おかえり。とりあえず、その帽子と外套を外したら?」
「そうだな。相変わらず元気な様子だがミレーユ以外にも顔を見せておくれ。」
笑いながら言われた言葉にようやくフレッドはミレーユを離した。

フレッドの外した帽子と外套をミレーユが照れくさそうに慌てて片付けると、
「ありがとう、ミレーユ。」
フレッドは少し気取った声でそう言うと、魔法のように袖口から一輪の花を取り出した。
「お礼にどうぞ。」
「わぁっ。ありがとう。」
突然現れた一輪の花に、ミレーユは目を瞠りながら、花とフレッドの顔を交互に見つめた。
兄の手には季節外れのチューリップの花が一輪。

「ふうむ。よくできているねえ。」
「ほんと。こんなに間近に見ても本物に見えるわ。」
離れていたはずのダニエルとジュリアが気が付いたら、ミレーユのそばでチューリップに釘付けになっていた。
「伝説の職人さんに作ってもらったんだよ。ママにもどうぞ。」
そう言うと、反対の袖口から一輪のカーネーションが現れた。

「えっ?あたしにも?」
両手に差し出されたチューリップとカーネーションを見ながら、ジュリアは一瞬驚いた顔をしたが、少し恥ずかしそうな顔をして真紅のカーネーションを受け取った。
「何だか照れるわね。でも、ありがとう。今日はあんた達のお祝いなのに。」
近所でも評判の勝気な美人も、息子からのプレゼントは素直に喜んだ顔をする。
「そう。ぼく達をこの世に送り出してくれた女神に☆」
軽く片目を瞑ったフレッドは、「そして、もう一人の天使に☆」とミレーユに薄紅色のチューリップを手渡した。
「ありがとう、フレッド。大事にするわね!」
驚いた拍子にその場に固まっていたミレーユは我に返って微笑むと薄紅色のチューリップを受け取った。
「うん。きみの喜ぶ顔がぼくには一番のプレゼントだ。」
そう言うと、フレッドは花ごとぎゅっとミレーユを抱きしめた。

「それにしても、フレッドったらいつの間にそんなことができるようになったの?」
少し拗ねたようなミレーユの声。
「ふふふ。お兄ちゃんだからね!」
一通り、フレッドの大きな荷物を片付けた後、買い物に出掛けるジュリア達を送り出し、店番を任された二人は、久しぶりの兄妹の会話に花を咲かせていた。そして先程のチューリップの話題になっていた。

「あたしもやってみたいわ!」
「うん。そう言うと思った。でも残念ながら、あの花は特注品だから同じようには出来ないんだ。ごめんね。」
「そうなんだ…。」
ガックリとミレーユは肩を落とすと、テーブルに飾ってあったチューリップをじっと見つめた。
「本当によく出来ているものね。」

最初に差し出された時は、本物かと思った。お芝居の小道具で遠目から造花を見たことはあったけれど、こんなにも本物そっくりではなかった気がする。
しっとりとした瑞々しい花びらは何でつくられているのだろう。

「お父上が、誕生日はシジスモンにいるだろうからって、前倒しでお祝いをしてくれたんだよ。そこで、花を取り出したり、鳩を取り出したり…水も飛び出ていたかな?それに素敵な踊りを見せてくれたり。面白かったから、終わった後にいろいろと教えてもらったんだ。」
「……ふうん。」
誕生日を祝ってもらえないのかと思っていたら、そういうことではなかったらしい。

「美しいぼくから、美しい花が現れるなんて素敵だろう?」
うっとりとした表情で、自己陶酔が始まった兄に呆れながらも、繰り広げられたであろう素敵な芸をミレーユは想像してみる。舞台に舞い散る花々、飛び立つ鳩達。水…は、少し寒いこの時期にはどうなんだろう。それでも、貴族のお城で繰り広げられる夢のような出来事だったのだろう。

「そういうわけだから、ぼくそっくりの美しい君にも教えてあげるのはかまわないのだけれど……ミレーユ?」
素敵な舞台を想像して、奇しくも兄と同じような表情でぼんやりしていたミレーユは、フレッドに肩を揺らされて、はっと現実に戻ってきた。
「は、夢の国に行っていたわ。素敵だった。……フレッドが教えてくれるの?でも、あの花は特注品だからって言っていたじゃない。」
「うん。花じゃなくてもいいだろう?花の形に似たものなら……。」
「……スプーンとか?」
問われて目の前に置いてあるスプーンをミレーユは持ち上げた。

「ふふっ。もうっ。ミレーユは食いしん坊なんだからぁ。いつでも美味しいものが食べられるようにってことかな?とってもきみらしいけど。」
にやにやと笑われて、鼻先をちょんとつつかれる。少し恥ずかしくなって、ミレーユは頬を赤くした。
「もう。いいじゃない。フォークだとさすがに危ないような気がしたし……。」
「そうだね。スプーンで上手にできるようになったら、もっといろいろなものに挑戦してみることもできるし。早速練習してみる?」
ぱちりとフレッドが片目を瞑ると、
「ええ、もちろん。」
スプーンを握りしめたミレーユから、気合の入った返事が返ってきた。
「よーし!お兄ちゃんも張り切っちゃうぞ☆……そうはいっても、先に衣装に細工をしなくちゃいけないから、まずそれからね。」
「わかったわ。」
ミレーユの瞳がきらきらと輝いた。

「はい、お誕生日おめでとう。ママからは恒例の特製タルト。おじいちゃんからは…。」
「恒例のパン。二人ともおめでとう。」
食卓の上には温かいシチューをはじめ、ジュリアが腕を振るったたくさんの料理が並び、チューリップとカーネーションが飾られている。
「「わあっ!ありがとう。おいしそうっ!!」」
ダニエルの取り分けた料理をジュリアが手際よく並べてゆく。

双子の前に並べられた二人の顔を模したパンを比べながら、
「ミレーユの三つ編みも随分長くなったわね。」
しみじみとジュリアが呟く。
「大きくなった証拠だな。ちょっとずつ表情も変えてはいるんだが、やっぱり笑った顔が一番だからね。」
「ぼくの鼻の方が少し高いのもね!」
「おんなじよ!」
ぷうっと頬を膨らませて拗ねるミレーユも恒例だ。

「はいはい。それでは、いただきましょうか?……あら?スプーンが足りないわね。」
並べ終えたジュリアが椅子に座って確認すると、
「「だいじょうぶ。ほら!!」」
そう言って、二人は袖口から揃ってスプーンを取り出した。

「……まったく。行儀が悪いわよ。」
取り出されたスプーンに呆気にとられたジュリアだったが、その場ですぐにグリグリと二人の頭に愛のムチを施した。
「ははは。大目に見てやりなさい。一生懸命練習したんだろうから。花を取り出せればよかったんだろうが、他に代わりになるものがスプーンしかなかったんだろう。」
呆気にとられた後、笑い出したダニエルに宥められて、涙目の双子を前にジュリアは宣言する。
「今後一切そういうことはしないこと。」
怖い顔をしたママに勝てる者はいない。
「「はぁ~い。」」
しゅんとして、落ち込んでいる二人を前に、
「……それにしても、いつでもスプーンを取り出せるなんて、うちの子供達は食いしん坊ねぇ。せっかくの料理なんだから、温かいうちに食べてしまいましょう?」
そう言って、ジュリアはにっこりと笑った。

「「はあーい!!」」
元気な返事とともに、誕生日の夕餉は始まったばかり。

~終わり~


フレッド&ミレーユお誕生日おめでとう!

そしてイロイロトシツレイいたしました。

10月末日は双子の誕生日ということで、久しぶりに楽しんでかいておりました。
捏造万歳。
袖口から花を出すフレッドさんや、動物を飼い慣らしている?動物にも愛されている?フレッドさんは何を切っ掛けに?と妄想いたしました。
エドゥパパが張り切っていろんなプロを呼んで披露したのかな?と。
リヒャルトさん付きのロジオンは、一緒に招待された若君を気にしつつもいろんな練習(修行?)に励んでいるといい。
セシリアさまが9歳でフレッドさんに白薔薇を渡されているので、それ以前にミレーユに披露して、それを見たミレーユもいろんなものを服に隠し持っているようになると面白いなあ。と(笑)。
うまく伝わっているといいのですが。
しかし、あの白薔薇は一体どこで調達しているのか。着ぐるみ職人のように、造花職人もいるのかなあ……。
手品で使うお花をマジックフラワーというらしいので、タイトルはそちらから。
フレッドさんは魔法が似合います(笑)。

それでは最後までお付き合いいただきありがとうございました。
寒くなってまいりましたね。風邪など召されませんように御自愛下さいませ。


20131103
素敵な拍手コメントを頂いて降ってきましたので、その晩のジュリアママを妄想。

『一輪の花』

びっくりした。
花なんてもらったのはいつだろう。
あたしが花よりもお酒の方が好きだって知れ渡っているから、お礼に。ともらうのはここの所、美味しいお酒ばっかりだったから。
もちろん、そっちの方が嬉しいのだけれど。

今日は双子たちの誕生日。いつもはもっと早く帰ってくる息子が、今年は当日に帰ってきた。
成長するにしたがって、里帰りの回数は減るのかとも思っていたから、変わらずに帰ってくる息子が、養子先で上手くやっているのかしら?と心配になることもある。

お祝いの夕餉が済んで、明日の仕込みも済んだ就寝の時間。
慌ただしい日中の間は、思い出すこともないけれど、ふとした……ふとした瞬間に思い出してしまう。

喧嘩は弱いし。弱いというか、やったこともないんだろうな。
身綺麗な格好をしたお貴族様なんて、格好の標的になることもわからずに街中に一人で現れるものだから、いいカモにされて。
あれで、実は使い手だとか言っても笑っちゃうけど。
女の子が悲鳴を上げているのかと思って助けに行ったら、綺麗な顔したお坊ちゃんだもの。
呆気にとられたわよね。
まあ、何回かやったら学習したみたいだけど。お付きの人が青くなって探していた辺り、案外、抜け出すことだけは上手かったのかしらね?
こんな下町であんな姿でうろつくものだから、町中の人には知れ渡っていて、からかわれる度に恥ずかしかったわ。
もちろんそんなこという奴は張り倒してやったけど。
本人には悪気も何もあったものじゃないから、仕方ないけど。
実際、父さんに用事があったわけだし……。

真面目に仕事している時には、普通の顔しているのにね。
どうしてあたしを見るとあんなにうろたえた顔するのかしらね。

花を差し出したフレッドが真面目な顔したあいつ。
百面相をするミレーユもあいつに似てきて……。
忘れようにも忘れられないわ。
あー。もう一杯飲んで寝よ。
おやすみ。あたしの可愛い双子たち。

~終わり~

最後までお付き合いありがとうございました。
お花からエドゥパパを連想。という素敵なコメントを頂きまして速攻で降ってきたものを。
いやあ。素敵ぃー。と楽しく妄想しました。
上手く伝わっていれば幸いです。コメントありがとうございました。
パパは、でっかい花束を送って、ママに怒られそうですけどね(笑)。
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